Owner's Practice
代表の賃貸経営
代表税理士の三上浩平は、2020年から賃貸住宅を取得しています。取得、借入、修繕、決算、申告を自ら行ってきたため、税務の相談を受けるときは、申告書の数字だけでなく、資金の流れと現場の事情を合わせて見ることができます。このページでは、その経験が税務の判断にどう生きるかを説明します。
Facts
事実:2020年からの取得と保有の規模
代表個人と、代表が代表社員を務める法人の合計。家賃年収は満室を想定した年額。2026年9月時点。将来の成果を示すものではありません。
経歴は、2008年に東北大学経済学部を卒業して三井住友銀行に入行し、連結会計の統括、リスク管理、投資銀行部門を経験しました。2018年に公認会計士試験に合格し、2019年にEYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社して財務・経営のコンサルティングを行い、2020年から賃貸住宅の取得を始め、2021年に三上浩平税理士事務所を開業しました。
税理士業務は三上浩平税理士事務所が行います。ここに書く保有物件は、お客さまの税務のご依頼とは別の、代表の賃貸経営です。
Why it matters
自分で経験してきたことが、税務の判断に効く場面
税務の相談では、申告書を作る前の判断が、税額と資金の両方を決めます。賃貸経営の当事者として、次の場面を実務で経験してきました。
Before buying
取得の前:収支を、税引後の現金で見る
取得の前に見る表面の利回りは、税金と借入の元本返済を含んでいません。実際に手元に残るのは、家賃収入から管理費、修繕費、固定資産税、借入の利子を引き、さらに借入の元本と所得税・住民税を払った後の額です。減価償却費は現金が出ていかない経費ですが、償却が大きい年は帳簿の利益が小さく、償却が終わる年以降は帳簿の利益が大きくなります。
- 築年数から償却の年数を出し、償却が終わる年の納税額を取得前に試算する
- 借入の元本返済額と償却費を並べ、税額が現金の残りを上回る年がないか確認する
- 土地と建物の価額の按分で、償却費がどう変わるかを確認する
- 購入する名義を、個人にするか法人にするかで、税額と借入の枠を比べる
Borrowing
借入と借換え:返済額の変化を、決算の数字で確かめる
借入の条件は、金利、期間、返済方法、保証料などで構成されています。借入を組むとき、借換えを考えるときには、金融機関に出す決算書の数字が、通帳と返済予定表に一致していることが前提になります。返済の元本と利子を分けて記帳し、決算書の借入残高を返済予定表と合わせる作業は、毎年の決算の基本です。
- 金利が上がったとき、返済額が増える幅と、税引後の現金の残りへの影響を試算する
- 借換えで返済期間を延ばすと、月々の返済は減るが、総利息は増える。税引後の残りで比べる
- 借換えの諸費用の経費計上の時期を、精算書で確認する
Repairs
修繕:時期と内容を、経費と償却の区分に合わせる
築年数が進むと、給排水設備、屋根、外壁、内装の修繕が重なります。同じ金額の工事でも、修繕費としてその年に全額経費にできるものと、資本的支出として償却するものがあり、区分によって所得が変わります。工事を発注する前に、見積書の内訳と目的を、判定の基準に照らして確認します。
- 大きな工事は、見積書の内訳を工事の単位ごとに分けて残す
- 退去後の原状回復と、機能を上げる改装を、契約書や請求書の中で分けて記録する
- 工事の前後の写真と、工事の目的を、申告の根拠として保存する
- 工事の時期は、所得が大きい年に修繕費が出るよう、計画の中で調整できるか確認する
Settlement
決算と申告:毎年の記録が、次の判断の材料になる
物件が増えると、収入と経費を物件ごとに把握しないと、どの物件の収支が悪いのかが分からなくなります。決算では、物件別の収支、借入の残高、固定資産の簿価、納税の見通しを、年に1回まとめて確認します。
- 物件別の家賃収入、空室、修繕費、償却費、借入の利子を一覧にする
- 翌年の所得税・住民税・予定納税の見込みを、決算の時点で出す
- 売却の可能性がある物件は、簿価と売却価額の見込みから、譲渡所得の税額を試算する
- 法人と個人の両方で持つ場合、それぞれの決算の数字を分けて管理する
In the office
事務所の顧問サービスとの関係
顧問契約の中身は、上の経験を基にしています。決算報告、半期の確認面談、物件判定書と融資用収支計画、売却の出口試算、借換え診断は、賃貸経営の中で判断が必要になる場面を順に並べたものです。お客さまの物件については、地域・構造・築年数・借入条件を踏まえて検討します。代表の物件の結果を、お客さまの物件に当てはめて説明することはしません。
楽待新聞「大家業のひとびと」#91(2026年9月25日)に掲載されました。
FAQ
よくある質問
代表の保有物件の詳しい収支は見られますか。
投資の助言もしてもらえますか。
監修:三上浩平(公認会計士・税理士) 東京税理士会 登録番号 第144424号。制度の内容は2026年9月時点のものです。代表税理士のページ
Sources
出典
- 楽待新聞 大家業のひとびと #91(2026年9月25日)https://www.rakumachi.jp/news/column/406727
- 国税庁 No.5402 修繕費とならないものの判定https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5402.htm
- 国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm
