Owner's Practice

代表の賃貸経営

代表税理士の三上浩平は、2020年から賃貸住宅を取得しています。取得、借入、修繕、決算、申告を自ら行ってきたため、税務の相談を受けるときは、申告書の数字だけでなく、資金の流れと現場の事情を合わせて見ることができます。このページでは、その経験が税務の判断にどう生きるかを説明します。

監修:三上浩平(公認会計士・税理士)/最終更新 2026年10月17日

Facts

事実:2020年からの取得と保有の規模

2020年賃貸住宅の取得を開始した年
14棟賃貸住宅の保有棟数
1億円超家賃年収(満室想定)

代表個人と、代表が代表社員を務める法人の合計。家賃年収は満室を想定した年額。2026年9月時点。将来の成果を示すものではありません。

経歴は、2008年に東北大学経済学部を卒業して三井住友銀行に入行し、連結会計の統括、リスク管理、投資銀行部門を経験しました。2018年に公認会計士試験に合格し、2019年にEYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社して財務・経営のコンサルティングを行い、2020年から賃貸住宅の取得を始め、2021年に三上浩平税理士事務所を開業しました。

税理士業務は三上浩平税理士事務所が行います。ここに書く保有物件は、お客さまの税務のご依頼とは別の、代表の賃貸経営です。

Why it matters

自分で経験してきたことが、税務の判断に効く場面

税務の相談では、申告書を作る前の判断が、税額と資金の両方を決めます。賃貸経営の当事者として、次の場面を実務で経験してきました。

Before buying

取得の前:収支を、税引後の現金で見る

取得の前に見る表面の利回りは、税金と借入の元本返済を含んでいません。実際に手元に残るのは、家賃収入から管理費、修繕費、固定資産税、借入の利子を引き、さらに借入の元本と所得税・住民税を払った後の額です。減価償却費は現金が出ていかない経費ですが、償却が大きい年は帳簿の利益が小さく、償却が終わる年以降は帳簿の利益が大きくなります。

  • 築年数から償却の年数を出し、償却が終わる年の納税額を取得前に試算する
  • 借入の元本返済額と償却費を並べ、税額が現金の残りを上回る年がないか確認する
  • 土地と建物の価額の按分で、償却費がどう変わるかを確認する
  • 購入する名義を、個人にするか法人にするかで、税額と借入の枠を比べる

Borrowing

借入と借換え:返済額の変化を、決算の数字で確かめる

借入の条件は、金利、期間、返済方法、保証料などで構成されています。借入を組むとき、借換えを考えるときには、金融機関に出す決算書の数字が、通帳と返済予定表に一致していることが前提になります。返済の元本と利子を分けて記帳し、決算書の借入残高を返済予定表と合わせる作業は、毎年の決算の基本です。

  • 金利が上がったとき、返済額が増える幅と、税引後の現金の残りへの影響を試算する
  • 借換えで返済期間を延ばすと、月々の返済は減るが、総利息は増える。税引後の残りで比べる
  • 借換えの諸費用の経費計上の時期を、精算書で確認する

Repairs

修繕:時期と内容を、経費と償却の区分に合わせる

築年数が進むと、給排水設備、屋根、外壁、内装の修繕が重なります。同じ金額の工事でも、修繕費としてその年に全額経費にできるものと、資本的支出として償却するものがあり、区分によって所得が変わります。工事を発注する前に、見積書の内訳と目的を、判定の基準に照らして確認します。

  • 大きな工事は、見積書の内訳を工事の単位ごとに分けて残す
  • 退去後の原状回復と、機能を上げる改装を、契約書や請求書の中で分けて記録する
  • 工事の前後の写真と、工事の目的を、申告の根拠として保存する
  • 工事の時期は、所得が大きい年に修繕費が出るよう、計画の中で調整できるか確認する

Settlement

決算と申告:毎年の記録が、次の判断の材料になる

物件が増えると、収入と経費を物件ごとに把握しないと、どの物件の収支が悪いのかが分からなくなります。決算では、物件別の収支、借入の残高、固定資産の簿価、納税の見通しを、年に1回まとめて確認します。

  • 物件別の家賃収入、空室、修繕費、償却費、借入の利子を一覧にする
  • 翌年の所得税・住民税・予定納税の見込みを、決算の時点で出す
  • 売却の可能性がある物件は、簿価と売却価額の見込みから、譲渡所得の税額を試算する
  • 法人と個人の両方で持つ場合、それぞれの決算の数字を分けて管理する

In the office

事務所の顧問サービスとの関係

顧問契約の中身は、上の経験を基にしています。決算報告、半期の確認面談、物件判定書と融資用収支計画、売却の出口試算、借換え診断は、賃貸経営の中で判断が必要になる場面を順に並べたものです。お客さまの物件については、地域・構造・築年数・借入条件を踏まえて検討します。代表の物件の結果を、お客さまの物件に当てはめて説明することはしません。

楽待新聞「大家業のひとびと」#91(2026年9月25日)に掲載されました。

FAQ

よくある質問

代表の保有物件の詳しい収支は見られますか。
公開しているのは、保有棟数と家賃年収(満室想定)の2点だけです。物件ごとの収支、借入の条件は、ご覧いただけません。お客さまの相談では、お客さまの物件の数字を基に判断します。
投資の助言もしてもらえますか。
顧問契約に含まれる物件判定書は、税務、償却、収支の見通しを整理した資料です。物件の購入の可否を約束するものではなく、決めるのはお客さまです。

監修:三上浩平(公認会計士・税理士) 東京税理士会 登録番号 第144424号。制度の内容は2026年9月時点のものです。代表税理士のページ

Sources

出典

  1. 楽待新聞 大家業のひとびと #91(2026年9月25日)https://www.rakumachi.jp/news/column/406727
  2. 国税庁 No.5402 修繕費とならないものの判定https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5402.htm
  3. 国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm

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