Process and deadlines
相続の手続きの流れと期限
相続の手続きは、死亡届から始まり、相続税の申告と納付、名義変更まで、期限の異なる手続きが重なります。このページでは、10の段階に分けて、お客さまが行うことと事務所が行うことを示し、期限を一覧表にまとめました。制度は2026年9月時点のものです。
10 steps
手続きの10段階
各段の「お客さま」「事務所」「ご一緒に」は、主に誰が行うかを示します。事務所にご依頼いただくのは、相続税の申告と準確定申告に関わる部分です。登記や紛争の調整は、それぞれ司法書士・弁護士の業務です。
- 1お客さま
死亡届の提出(7日以内)
医師から死亡診断書を受け取り、死亡を知った日から7日以内に、市区町村へ死亡届を出します。国外で死亡した場合は3か月以内です。あわせて葬儀の手配を進めます。
- 2お客さま
初期の届出と遺言書の確認
年金・健康保険・介護保険の資格喪失の届出、公共料金や賃貸借契約の名義に関する連絡を行います。遺言書がある場合は、公正証書遺言以外は、家庭裁判所の検認が必要になります。賃貸中の不動産がある場合は、家賃の振込先と管理会社への連絡を早めに行います。
- 3事務所
初回相談と資料のご案内
亡くなった日、相続人の人数、財産の概要を伺います。相続税がかかる見込みがあるか、基礎控除額との比較で目安をお伝えし、取得していただく資料の一覧をお渡しします。ご依頼の場合は、見積書をお出しします。
- 4ご一緒に
相続人の確定
被相続人の出生から死亡までの戸籍を集め、相続人を確定します。相続人が確定しないと、遺産分割協議も申告書も作れません。
- 5ご一緒に
財産と債務の調査
不動産、預貯金、有価証券、保険、借入金、未払金を調べ、一覧にします。預貯金は死亡日時点の残高証明書を取得します。賃貸不動産は、賃貸借契約書、敷金、借入の残高も集めます。
- 6お客さま
相続放棄・限定承認の判断(3か月以内)
借入などの債務が多い場合は、相続の開始を知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述します。判断のために、財産と債務の一覧を、この段階で作ります。申述の手続きは弁護士・司法書士の業務です。
- 7事務所
準確定申告(4か月以内)
被相続人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに確定申告をし、納税します。賃貸収入や年金がある場合が主な対象です。
- 8事務所
財産の評価
土地を路線価方式または倍率方式で評価し、貸家建付地や小規模宅地等の特例を反映します。建物は固定資産税評価額を基に評価します。
- 9ご一緒に
遺産分割協議と税額の試算
相続人全員で、誰がどの財産を取得するかを協議し、遺産分割協議書を作ります。事務所は、分割案ごとに、相続税の額と、二次相続を含めた合計額を試算して、協議の材料にします。
- 10ご一緒に
申告・納付(10か月以内)と名義変更
申告書を作成して署名をいただき、被相続人の住所地の税務署へ提出し、納付します。不動産の名義変更(相続登記)は、相続で取得したことを知った日から3年以内が申請の期限です。
Deadlines
期限の一覧
相続に関する主な期限
| 期限 | 手続き | 起算日・備考 |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出 | 死亡を知った日から。国外で死亡した場合は3か月以内 |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から。家庭裁判所へ |
| 4か月以内 | 準確定申告と納付 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から |
| 10か月以内 | 相続税の申告と納付 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から。期限が土日祝日なら翌日 |
| 10か月以内(申告期限まで) | 延納・物納の申請 | 納付が困難な場合。申告期限までに、申請書と担保に関する書類を提出 |
| 3年以内 | 相続登記の申請 | 相続で不動産を取得したことを知った日から。2024年4月1日に義務化。施行日より前に相続した不動産は、2027年3月31日までが申請の期限 |
| 申告期限から3年以内 | 未分割だった遺産の分割 | 分割見込書を添付していれば、小規模宅地等の特例・配偶者の税額軽減の適用対象。分割後4か月以内に更正の請求 |
| 相続開始の翌日から3年10か月以内 | 相続した不動産の売却(取得費加算の特例) | 相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日まで |
| 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで | 空き家の3,000万円特例の売却期限 | 昭和56年5月31日以前に建築された被相続人の居住用家屋などが対象。令和9年12月31日までの売却が対象 |
期限の日が土日祝日にあたるときの扱いは、手続きによって異なります。余裕をもって進めます。
Points
期限で見落としやすい点
- 相続放棄の3か月は、相続税の10か月よりはるかに早く来ます。借入のある賃貸不動産を含む相続では、債務の額を早めに確認します。
- 準確定申告の4か月は、相続税の申告期限とは別の申告です。賃貸収入がある場合は、死亡日までの家賃収入と経費を集計します。
- 相続税の申告期限は、遺産分割の成立を待ちません。分割が決まらない場合は、分割見込書を添付して申告し、3年以内の分割で特例を使う道を残します。
- 売却を考えているなら、取得費加算の特例の期間(3年10か月)と、空き家特例の売却期限(相続開始から3年後の年末)を、申告の前に確認します。特例の選択で、譲渡所得の税額が変わります。
FAQ
よくある質問
申告期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか。
死亡した日と、相続の開始を知った日が違う場合、期限はどちらから数えますか。
家庭裁判所の手続きが必要になるのは、どのような場合ですか。
監修:三上浩平(公認会計士・税理士) 東京税理士会 登録番号 第144424号。制度の内容は2026年9月時点のものです。代表税理士のページ
Sources
出典
- 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
- 国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm
- 国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4208.htm
- 国税庁 No.4211 相続税の延納https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4211.htm
- 国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
- 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
- 法務省 相続登記の申請の義務化https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00546.html
- 戸籍法(e-Gov法令検索)第86条https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224
- 民法(e-Gov法令検索)第915条https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 相続税法(e-Gov法令検索)第32条https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000073
